思いのクセ

どうして大切な人に怒りをぶつけてしまうのか

あなたが営業をしているなら
経験があると思います。

お客様に理不尽なことを言われて
ムカムカしたことは
一度や二度ではないのでは?

「こんなことで腹を立てても仕方が
ない」

「この人は、こういう人だから
自分が大人になるべきだ」

そう自分に言い聞かせて、
怒りを抑え込もうとするでしょう。

私たちは理性で抑え込み
不快な感情を避けようとします。

でも考えてみてください。
その避けた感情は
いったいどこへ行くのでしょうか?

このムカムカは消えてなくなったの
でしょうか?

答えはNO。
抑えつけただけで、なくなっていま
せん。
むしろ、抑えつけただけマグマのよ
うに怒りの温度と圧力は増しています。

そして、その怒りのマグマは、その
お客様とは関係のない場面である時
突然爆発するのです。

会社に戻ったあなたに、「報告がある
のでお時間いただけますか?」と
部下が声をかけてきます。

でも、その報告がわかりづらくて
イライラすると、「結論は何なの?」
とつい怒鳴ってしまう。

萎縮する部下を見て、あなたは後悔。

「ああ、どうして最後まで話を聞いて
あげられなかったんだろう」

こんなふうに、不快な感情は一時的に
避けてもどこかで噴き出します。

とはいっても、不快な感情との付き
合い方がわからないと、内側に溜め
込むしかありません。

そして抑え込んだマグマの怒りは
部下や家族など、自分が怒っても
受け入れてくれそうな相手に向けて
爆発させがちです。

一度爆発させるとしばらくは落ち着
きを取り戻すかもしれません。
でも怒りの種火は残ったまま。

その証拠に、お客様の顔を思い浮か
べて見てください。
「こんなことで怒ってしまったのは
あの人のせいだ」と
怒りが再び湧いてくるのではないでしょうか。
そうなると、そのお客様に会うのが
億劫になるかもしれません。

抑圧された感情は、より大きな
エネルギーになって、あとで爆発し
大切な人を傷つけてしまう。

それだけでなく
相手を嫌う、避ける、見下すなど
別の行動に変換されます。

そうして相手との関係は分断されてしまいます。

だから、感情を良い悪いで区別して
悪い感情だけを避けるのは、有効な
方法とはいえないのです。

では、私たちはこの不快な感情と
どのように付き合っていけばいいの
でしょうか?

それは感情を「避ける」のではなく
「味わう」ことです。
味わい尽くせば、その感情を短時間
で終わらせることができるからです。

満員電車の中でサンダルの爪先を
踏まれて、激しい痛みに襲われた
ことがあります。

「痛いっ」と声を思わず出すと同時
に腹も立ちました。
ただ痛みを感じながら、引いていく
のを待つしかなかったですが、痛み
が引く頃には、怒りも一緒に引いて
いったのです。

もしあの時、心の中で「どうしてちゃ
んと周りに気を配らないのよ!」と
相手を責めていたら、痛みが引いても
怒りだけは続いていたことでしょう。

感情を終わらせるためには、考えずに
感じることです。
踏まれて終わらない痛みはないように
終わらない感情もありません。

感情を恐れずに味わい尽くしてこそ
見えてくる真の本音があります。

「大切な人に怒りをぶつけてしまう」
この行為の奥にある本当の望みを
知ることができれば

怒りをぶつけるのではなく、別の方
法でその望みを満たすことができます。

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