人間関係のストレス
人間も、ストレスの大きな要因になります。
ストレスは、外部からのストレス要因
だけで生じるものではありません。
ストレスというものは心理的なもので
自分と世界との「相互関係」から
生じるものです。
ですから、「あの人がストレスの原因だ」
と思う場合は、あなたにもその人との
関係に責任があるのです。
私たちは、自分にとって好ましくない
状況に直面すると、無意識のうちに
敵対的な反応を示してしまいがちですが
人間関係もこれと同じです。
そして、自分が敵対的になってしまうと
関係はますます悪化することになります。
対人的な不快感や衝突したときの反射的な
反応の仕方は、ある種の習性となって
私たちの中に深く染み付いています。
両親から人間関係の持ち方や他の人との
付き合い方を受け継いでいる人もたくさんいます。
人からの怒りの感情を恐れるあまり
衝突を避けようとする人もいます。
こういう人は、相手に自分の本当の
感情をぶつけるという事はしません。
そして、衝突を回避するためなら
受け身になったり、相手をなだめたり
屈服したり、自分を非難したり、
とぼけたり、とにかくできる事は
何でもしようとします。
また、反対に、自分の不安感を隠すために
どこへ行っても必ず誰かと衝突して
しまうという人もいます。
こういう人は、「相互関係と言うものは
力と支配によって成り立っている」
と考えています。
相手の事は一切考えず、攻撃的で
敵対的で、自分が人からどう思われて
いるかと言うことにほとんど気が
ついていないのです。
いつもイライラしていて、人を罵った
りしていて、無神経で、非常識です。
話す言葉も声の調子も乱暴です。
まるで「人間関係とは自分の力を見せ
つける戦いの場だ」と思っているかのようです。
そしてその結果、周りの人たちは
その人に対して悪い感情を持つよう
になっていくのです。
それほど深刻な状況ではなくても
私たちは、何かあるとすぐに敵対的な
行動に出てしまう傾向があります。
自分の利益や社会的地位が脅かされ
ていると感じただけで、無意識のうちに
自分の立場を守ろうとして
これが結果的に衝突の度合いを強め
てしまうのです。
このようにして、人間関係はストレスを
生み出していくのです。
しかし、人間には、考え、意識し、人に
影響与えるといった能力があります。
ですから、私たちは自分の無意識や
深く染み込んだ習性を超えた対処法を
いくらでも考えることができるはずです。
では、そういった人間関係の対処法には
一体どんなものがあるのかを考えてみましょう。
ただし、その場合でも、自分が無意識
のうちに受け身になっていたり、
攻撃的な反応を示しているということに
気づいていなければ、
対処法は考えようもないのです。
なぜなら、人間関係とは反応するもの
ではなく、対処するものだからです。