つい自分を否定してしまう人へ
「しまった、失敗した!」
と思った瞬間
「評価を下げたのでは?」
「私は向いていない」
「なんてダメなんだ」
心に自動的な反応が
起こったこと、あります?
仕事でも、人間関係でもこんな
反応は必ず起きます。
大事なのは、そこでへこまないこと。
決して自分を否定しないことです。
でも、「判断」という
心の反応は厄介なもの。
すぐに自分を
責めてしまいます。
それがコンプレックス
や挫折感につながることも。
「自分を否定してしまう」のは
自分に対しての「判断」が
入っているからです。
その判断がもたらす悩みを
分解してみましょう。
1、 自分を否定すると、承認欲が
満たされないため「怒り」
が生まれる。
2、 不快な「怒り」の反応を
解消するために
「攻撃」か「逃避」
を選択する。
この2つは、生物みんなが
持っている本能的な反応です。
「攻撃」は次のような行動として
現れます。
キレる、怒鳴る、いやがらせで
うさを晴らす。
または、「自分への攻撃」として
自分を責める、嫌う、自分が
いけないのだと考える
生きたくないと考える。
「逃避」は、こんな形で出てきます。
無視する、サボる、手を抜く、休む
引きこもる、ひたすら眠る、鬱に
なる、刺激・快楽に依存する。
当てはまるものがありますか?
こうした反応が出てきたとき、自分
も周りも、「なんとかしないと」と
考えます。
注意しなければいけないのは、その
「なんとかしないと」という判断も
また、本人を否定する判断だ
ということです。
つまり「怒り」が生まれます。その
怒りが、新しい「攻撃」か「逃避」
の反応を生み出します。
こうなると「悪循環」に陥ってしま
います。
だから、どんな状況にあっても
「判断しない」(否定しない)とい
うのが、重要なのです。
では、どんなときも
自分を否定しないためには
どうすればいいでしょうか。
人は、「判断しない」という訓練を
積んでいません。
だから「否定してはいけない」
「ありのままを受容することが大事」
と、理屈ではわかるものの
アタマの中では
「やっぱりなんとかしないと」と
判断してしまうものです。
人によっては、「悪い噂を立てられたら
どうしよう」といった、いっそうムダ
な妄想・判断をしていることがあります。
言葉がけや、表情や、ちょっとしたま
なざしを通じて、その否定的な判断を
“感知” してしまうのです。
これは自分のことかも、と思う方にぜひ
取り組んでいただきたいことは1つ。
それは、「否定的な判断をやめる」練
習です。
「つい自分を否定してしまう」
そんな人向けのエクササイズを
紹介します。
自分を否定して苦しくなったら、
すぐに外に出ること。
散歩することです。
1時間でも、2時間でも
歩けるところまで歩いてみてください。
このとき、肉体がキャッチする
「感覚」を感じ取るように
してみましょう。
感覚器官は5つあります。
目、耳、鼻、口、肌です。
その1つひとつに、これまで以上に
意識を向けてください。
朝、昼、夜と、時間帯によって、
空の色も、街の光も、木の緑も違っ
てみえるはずです。今この瞬間に目
の前の世界はどう見えるのか、目を
見開いてよく観察しましょう。
また、今この瞬間に聞こえてくる
音は?
鼻先から匂ってくる空気の匂いは?
肌に触れる風の感じは?
季節を感じることもできますね。
外に出て、閉ざされた心に
風を送りこむように、新鮮さを
感じ取りましょう。
足を運ぶ一歩、一歩の感覚にも
注意を集中します。
足の裏に伝わる、大地の感触を感じ
取ります。
ていねいに感じながらどこまでも歩
いていきましょう。
今、たしかに存在するのは
「この感覚」です。
さっきまでアタマを占領していた
「悩み」は、この瞬間にはありません。
「もう1人の自分」
「もう1つの人生」が、ここにあります。
あなたはすでに、これまでとは違う
新しい人生を生きているのです。
どれくらい歩けばいいのか
決まりはありません。
でも、ただ歩けばいいのです。
自分を否定する判断が消えてなくな
るまで、散歩し続けて見るのです。
心の自由を取り戻すまで、歩いてみ
ましょう。
ふっと心が軽くなるまで。